医療と介護を同時に利用している世帯にとって、毎月の負担は大きな悩みです。
そんなときに役立つのが 「高額医療・高額介護合算制度」 です。医療費と介護費を合算して自己負担の上限を設けることで、支払いすぎた分を払い戻してもらえる制度です。ここでは、その仕組みや申請方法をわかりやすく解説します。
高額医療・高額介護合算制度とは?
- 医療費(病院・薬局など)と介護費(介護サービス自己負担分)を合算し、一定額を超えた分を払い戻す制度です。
- 医療保険と介護保険を 「世帯単位」 で合算して判定します。
- 医療保険の「高額療養費」と、介護保険の「高額介護サービス費」を組み合わせた仕組みと考えると分かりやすいです。
自己負担の上限額
所得区分に応じて、合算の上限額が決まっています。以下は一例です。
| 所得区分 | 年間上限額 |
|---|---|
| 現役並み所得者(住民税課税世帯) | 約212万円 |
| 一般(住民税課税世帯の多く) | 56万円 |
| 住民税非課税世帯 | 31万円 |
| 生活保護受給者等 | 19万円 |
👉 「年間(8月~翌年7月)」で判定されます。
対象となる費用
- 医療:病院、診療所、薬局での医療費(保険適用分)
- 介護:訪問介護、通所介護、施設サービスなどの自己負担分
- ただし、医療でも介護でも 保険適用外(差額ベッド代・食費など) は対象外です。
申請の流れ
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ① 医療・介護サービスの支払い | 通常どおり自己負担分を支払う | 領収書を保管 |
| ② 各制度で払い戻し | 高額療養費・高額介護サービス費が個別に適用される | |
| ③ 合算制度の案内 | 条件を満たした世帯に市区町村から通知が届く | 翌年度に届くケースが多い |
| ④ 申請 | 案内に従って申請書を提出 | |
| ⑤ 払い戻し | 審査後、超過分が指定口座に払い戻し |
必要書類
- 高額医療・高額介護合算制度申請書(市区町村から送付)
- 医療費・介護費の領収書
- 本人確認書類
- 振込口座の通帳コピー
- 印鑑
注意点
- 対象期間に注意8月から翌年7月までの1年間で計算されます。医療と介護の利用時期がずれると対象外になることも。
- 申請は案内が来てから自動で適用されるのではなく、自治体から送られる通知に基づき申請が必要です。
- 保険適用外は含まれない食費や居住費、差額ベッド代などは対象外。
まとめ
- 高額医療・高額介護合算制度は、医療と介護を合わせて自己負担を抑える制度です。
- 所得区分ごとに上限額が決まっており、超過分は払い戻されます。
- 医療・介護どちらも利用している世帯にとって、大きな家計の助けになります。
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