はじめに
近年、核家族化や都市部への転居により、「親は地方に、子どもは都市部に」という生活スタイルが増えています。その結果、遠距離介護を余儀なくされるご家庭も少なくありません。実際に、親の体調や生活に不安があっても、すぐに駆けつけられないもどかしさを感じる方は多いでしょう。本記事では、遠方に住むご家族ができる介護サポート方法を、具体的にご紹介します。
遠距離介護の課題
まず、遠距離介護には次のような課題があります。
- 移動時間と交通費の負担新幹線や飛行機での帰省が必要になると、経済的な負担も大きくなります。
- 介護の急変に対応できない不安突然の入院や体調悪化に、すぐ駆けつけられないことは精神的な負担になります。
- 家族間での負担の偏り近くに住む兄弟姉妹に介護が集中し、トラブルになるケースもあります。
こうした課題を解決するためには、**「ICT(情報通信技術)の活用」と「地域資源の利用」**が重要になります。
ICTを活用した見守りと連絡
近年は、遠方でも親の様子を確認できるサービスが増えています。
- 見守りセンサーやカメラ人感センサーやドアの開閉センサー、IoT家電を活用することで、生活リズムを把握できます。
- ビデオ通話での定期連絡LINEやZoomなどを使えば、離れていても顔を見て会話が可能。安心感を得られます。
- 介護記録アプリの共有ケアマネジャーや介護事業所が入力した記録を、家族がスマホで確認できる仕組みもあります。
地域の支援を頼る
遠距離介護では、地域のサポートをどう活用するかが大きなポイントです。
- 地域包括支援センターへの相談介護に関する総合的な相談窓口で、ケアプランやサービス利用の相談が可能です。
- 訪問介護・訪問看護サービスご家族がいない時間も、専門職が訪問して生活を支えます。
- 配食サービスや見守りボランティア日常生活の補助として活用でき、安否確認の役割も果たします。
- 民生委員や近隣の協力緊急時に駆けつけてもらえるよう、地域での人間関係を築いておくことも大切です。
遠方でも家族ができる役割
「近くにいないから何もできない」と考える必要はありません。
- 金銭管理や書類手続きインターネットバンキングや郵便物の転送を使えば、遠隔でサポート可能です。
- 介護サービス契約や調整事業所との契約や費用の管理は、電話・メール・郵送で対応できます。
- 定期的な帰省で現状確認数か月に一度は直接会って、住環境や健康状態をチェックしましょう。
まとめ
遠距離介護は「一人で抱え込まない」ことが最も大切です。
ICTを活用し、地域の支援や専門職に任せながら、家族は「できること」を担う。その役割分担が、無理のない介護を続けるカギとなります。
まずは 地域包括支援センターに相談し、利用できるサービスを整理することから始めてみてください。


コメント