介護サービスを長期間利用していると、自己負担額が高額になり、家計への影響が大きくなります。そんなときに頼りになるのが 「高額介護サービス費」 の制度です。
この制度を使えば、1か月に支払う介護サービス費用が一定額を超えた場合に、超過分が払い戻されます。ここでは、制度の仕組みや申請方法、注意点をわかりやすく解説します。
高額介護サービス費とは?
- 公的介護保険制度における自己負担額を一定の上限に抑える仕組みです。
- 介護サービスにかかる 自己負担(1~3割) が高額になったとき、上限額を超えた分が払い戻されます。
- 医療保険の「高額療養費制度」と似た仕組みで、利用者と家族の経済的負担を軽減することが目的です。
自己負担の上限額
所得に応じて上限額は異なります。以下は一例です。
| 世帯区分 | 上限額(月額) |
|---|---|
| 住民税課税世帯(年収約370万円以上) | 44,400円 |
| 一般(住民税課税世帯の多く) | 44,400円 |
| 住民税非課税世帯 | 24,600円 |
| 生活保護受給者など | 15,000円 |
👉 施設サービスの場合、食費・居住費は対象外です。
👉 世帯合算で判定されるため、夫婦で利用している場合は合算可能です。
申請の流れ
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ① 支払い | まずは通常通り介護サービス費を支払う | 領収書は必ず保管 |
| ② 通知 | 市区町村から「高額介護サービス費のお知らせ」が届く | 数か月後に郵送されるケースが多い |
| ③ 申請書提出 | 案内に沿って申請書を提出 | 初回は必ず申請が必要 |
| ④ 払い戻し | 審査後、指定口座に払い戻し | 2~3か月後に入金されることが多い |
必要書類
申請に必要な主な書類は以下の通りです。
- 高額介護サービス費支給申請書(市区町村から送付)
- 介護サービス費用の領収書
- 振込口座がわかる通帳写し
- 印鑑、本人確認書類
注意点と活用のコツ
- 初回は必ず申請が必要一度申請しておけば、2回目以降は自動で払い戻しされる自治体が多いです。
- 医療と介護を合算できる制度もある「高額医療・高額介護合算制度」を利用すれば、医療費と介護費を合わせて上限額を超えた分が払い戻されます。
- 払い戻しまでにタイムラグがある多くの自治体では、支払いから入金まで数か月かかります。家計のやりくりを考える際に注意しましょう。
- 世帯単位で計算される同じ世帯で複数人が介護サービスを利用している場合、合算して判定されるので、より利用しやすくなります。
まとめ
- 高額介護サービス費は、介護サービス利用者の家計を守る大切な制度です。
- 1か月の自己負担額が上限を超えた場合、超過分が払い戻される仕組みです。
- 初回は必ず申請が必要ですが、2回目以降は自動で処理されるケースも多いので安心です。
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